31Aug
昨日、9月3日(月)までの会期、駆け込みで言って参りました。国立新美術館。
LOUVRE ルーヴル美術館展 肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか
東京メトロ千代田線乃木坂駅で下車。
11時過ぎ頃到着。
駅にもチケットの臨時発売所があり、列ができていました。
それから、待ち時間20分と書かれた札が。
地上に出て、美術館の入り口のところにもチケット発売所がありますが、こちらの方が、列はできていませんでした。
化粧室は、乃木坂駅のところも、乃木坂駅側から入ったところも列ができていて、中央カフェ横の大きな円形の柱のところへ行ってみると、そちらはすぐに利用できました。
ホッ。
美術館に入ると、列がどこまでも続いていて、、、
正面入口の方が最後尾でした。
その時点で、展示室に入るまでに待ち時間30分とのこと。
列は、最初2列でその後展示室の前辺りで横幅が広がります。
先日の上野の東京国立博物館の縄文展も、上野の森のエッシャー展も、人がたくさんで、今回も一瞬怯みそうになるくらいでしたが、根気強く展示品の近くで待って、一番前の列のところに並んで徐々に進んでいくと、ちゃんと一番前で観られるようになりました。
時間はかかりますが、やっぱり、特に身長の低い私は一番前でなるべく観たい。
美術展、会期終わりに近づいてくると混雑するようで、やはり、会期始めに行く方がオススメのようです。
ということで、今回も、ショップまでの時間も入れると所要時間3時間くらいかかりました。
体力も必要だ。
プロローグ:マスクー肖像の起源
エジプト出土の1.棺に由来するマスク
エジプトのこの時代に作られたマスクは、亡くなった人の顔立ちではなく、その人が死後の世界を永遠に生きるための理想の顔が表現されているという。
古代から、理想の顔に生まれたいと願う気持ちって存在していたのか。
1.記憶のための肖像
ここでは、自身の像を神に捧げるー信心の証としての肖像古代の葬礼肖像ー故人の在りし日の面影をとどめる、近代の葬礼肖像ー高貴さと英雄性に焦点を当てて展示されている。
亡くなった人に女神や神の性質を持たせて表現されているところは、日本の神社でも、例えば菅原道真公の魂を鎮めるために祀られた天神さんが、学問に秀でていた道真公にちなんで学業の神様として参詣されたり、大阪のお初天神も、悲恋で心中した人が、あの世ではきっと、男女の縁事を応援してくれるだろうと、縁結びの神様として詣られたりしているのに共通点を感じた。
2.権力の顔
男性の権力者ー伝統の力
ナポレオンの色々な顔はこのエリアです。
《アルコレ橋のボナパルト》では、ナポレオンは精悍な顔つきで描かれている。
横顔の角度や、風を感じるこの構図は、勇敢さや力強さといった頼れる雰囲気ながら、近しさ、爽やかさも感じさせる一枚だ。
また、戴冠式の正装のナポレオンとして、肖像画や大理石の彫刻で表されているのは、真っ白い毛皮のマントや月桂樹の冠など、皇帝に相応しいと思わせる演出効果も意識されているそうだ。
イメージ戦略も意識していたのですね。
彫刻の、マントのひだの波打つさまや表現力、まるで布のように柔らかさまで伝わってくるその造りに、回りの人からも感嘆の声が。
《5歳のフランス国王ルイ14世》
愛らしさが残りつつも、堂々と見える。
これは、この像が、古代ローマの皇帝ふうに作られたためだそうだ。
ナポレオンの戴冠式でも見られたように月桂樹の冠をかぶり、斜め横への視線と、ドレープの美しい纏いもの。
《ローマ皇帝として表されたルイ15世》にしても、ローマ皇帝というのはフランスでも人々に威厳を示すイメージとして認識されていたのですね。
幕間劇Ⅰ 持ち運ばれ、拡散する肖像ー古代の硬貨から17世紀ムガル朝インドのミニチュアチュールまで
ここでは、金貨やカメオに彫られた小さな肖像を観ることができる。
カメオって、権力の象徴でもあったのね。
そして、17世紀ムガル朝インドのミニアチュール、肖像画と絵画のアルバムは、目を見張るほど材料も豪華で細やか。
水彩だけど、金や絹、革が使われている。
権威ある女性
こちらでは、大理石彫刻のクレオパトラ2世、またはクレオパトラ3世の肖像。
イメージとは違い、固い表情の、女性というより男性にも見える顔立ち。
私たちが一般的に言うクレオパトラはクレオパトラ7世のことらしい。
説明には、クレオパトラ2世、またはクレオパトラ3世のこの時代は、権力のために、兄妹、姉弟間でも結婚するほどの時代で、このような表情にならざるを得なかったそうだ。
そして、あの、マリー・アントワネットの胸像にはここで出会うことができる。
当時のフランスの権威ある女性は、髪を高く盛って、ヘアバンドをして、巻き髪。豊かなドレープの衣装をゆったりと纏っているのね。
精神の権威ー詩人、文筆家、哲学者
ホメロスの架空の肖像や、アリストテレス、ヴォルテール、ルソーやバルザックの肖像の彫刻が並ぶ。
幕間劇Ⅱ 持ち運ばれ、拡散する肖像ープルーフランス国王ルイ18世のミニアチュール・コレクション
当時の上流階級の間で流行った嗅ぎタバコ。それを入れる箱と、そのためのミニアチュールがなんと48点。
3.コードとモード
男性の肖像ー伝統と刷新
男性の横には、犬を描く、という図式も。
そういえば、以前国立西洋美術館でのプラド美術館展でのスペイン王フェリペ4世の横にも猟犬が描かれていた。
きれいだなぁとその場から離れるのが惜しく感じた絵は、女性の肖像ー伝統と刷新
フランスの画家(?)の《パンジーの婦人》
背景から額縁のところまで描かれたパンジー、女性の衣装なども細やかに描かれていた。
そして、来日27年ぶりの《美しきナーニ》
どこから観ても視線が合わず、豪華で繊細な作りのドレス、宝飾品を身につけ、忠誠の仕草といわれる胸に手を当てているこの美しい女性は誰なのか、謎。
理想の女性像を描いたものとも。
子どもと家族
画家の家族の肖像、女性と子どもの肖像など、いつの時代も家族が揃っている一枚は、かけがえのないものなのかもしれない。
自己に向き合う芸術家ー啓蒙の世紀の3つの例
しかめっ面のこの作品は、作家本人がモデルで心の病の治療法として作ったのだそう。
また、指をこちらに向けて指して、嘲笑の表情を描いた自画像も、当時もこういう表情や仕草をしていたのだと驚かされた。
エピローグ:アルチンボルドー肖像の遊びと変容
《春》、《秋》
肖像画であり、静物画であるこれらの作品。
ユニークな着想だけど、贈られた相手も笑えたのかな。
と、ここまで、2時間ちょっとかけて回りました。
そして、出口の前はショップ。
グッズは事前にホームページなどでチェックしていきました。
鎌倉紅谷の「ルーヴルっ子」は今日の分は完売。残念。
帰省したときに食事をご馳走になった親戚や友人へのお返しの気持ちに、
写真左から
《美しきナーニ》より、ドレスのレース部分をモチーフにした今治フェイスタオル。
サイズ:34×86㎝ 価格:1,404円(税込)
ペンケースは、DELFONICS Paris Louvreだけで販売しているパリ限定アイテムの「キトリ」シリーズ。
価格:1,350円(税込)
5パーツホルダーも同じくDELFONICS Paris Louvreのもの。
価格:518円(税込)
日本では展覧会場のみで販売の、限定グッズ!
親戚は洋裁をするので、筆記具や型紙入れたり、使えるかなぁ。
友人も子どもの連絡事項、仕事などでも使えるかな。
グッズもゆっくり見ていたら、入場前の待ち時間も入れて三時間半くらいかかりました。