24Jan
今年、2021年の2月に「モンテッソーリ 子どもの家」の映画が新宿ピカデリー、イオンシネマ他全国公開の予定!劇場によっては2月19日(金)〜公開のところと、2月26日(金)〜のところがあるのでご確認ください。
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=montessori#area07
保育士の資格試験を独学で勉強していた頃、「教育原理」「保育原理」という科目で知った「モンテッソーリメソッド」と「子どもの家」。
「モンテッソーリメソッド」や「子どもの家」については、本もたくさんあって、最近では将棋の藤井聡太棋士が受けた教育でも話題になりましたね。
映画はフランス最古のモンテッソーリ学校が舞台です。そもそも「モンテッソーリ 子どもの家」とは、いったいどんなところ?でしょうか。
〈モンテッソーリって?〉
モンテッソーリ・メソッドを確立したのはイタリアで初の女性医学博士でもあったマリア・モンテッソーリ。
フランス・パリで万博が開かれたのはマリアが19歳の頃。女性が大学で医学を学ぶことも、医師になることもまだまだ差別的な扱いを受ける、そんな時代です。医学博士号もマリアは相当な苦労をして取得したのでした。
日本では明治時代です。
医学博士号を取得後も女性であることで差別されることは変わらず、やっとの思いで得られた仕事が大学の付属病院の精神病院の助手でした。そこで、知的障害児と出会い、彼らの行動に関心を寄せ、注意深く観察していくうちに、子どもたちは「手を使う」ことで知性を発達させることを発見します。子どもが「手を使った」作業をするための『モンテッソーリ教具』も開発し、「感覚教育」と呼ばれています。
そうしていくうちに子どもたちに大変な成果が見られ、その名前を知られるようになっていきます。
【「子どもの家」の開設者】
それから、ローマ不動産協会がスラム街の貧困層向けのアパートに設けた保育施設での監督・指導を任せられることになり、「子どもの家」を開設(日本モンテッソーリ教育総合研究所の公式サイト、モンテッソーリすみれが丘子供の家 原宿子供の家の公式サイトより)。
【「感覚教育」を取り入れる】
知的障害児の教育的治療で培った「感覚教育」を取り入れ、最初は暴れ回っていた子どもたちが徐々に落ち着き、穏やかになっていくという変化を遂げるのです。
マリアは、「『教師の役割』とは子どもにとってふさわしい環境を用意し、必要以上の介入をしないで見守り、観察し、控えめでいることこそが大切」だとしました。
マリアはその後国外でも平和に関する講演活動を行い、モンテッソーリスクールも世界各国に広がります。その活躍で、ノーベル平和賞の候補にも選出されています。
ただ、残念なことに時代は大戦へと向かっていきます。イタリアもファシズムへと向かい、ムッソリーニからも疎まれるようになり、マリアはスペイン、そしてオランダへと逃れ、最期を迎えます。その直前まで、インドでの教師養成講座の準備をしていたそうです。
〈モンテッソーリ・メソッドって?〉
マリアは子どもがすることを「遊び」ではなく「お仕事」と呼びました。
発達段階は0〜24歳までを6年ごとの4段階に分けられると考えました。
- 0〜6歳の幼児期
- 6〜12歳の児童期
- 12〜18歳の思春期
- 18〜24歳の青年期
そしてこの成長段階の中でも、特に重要視しているのが、0〜6歳までの幼児期で、この時期に訪れるのが「ある特定のこと、刺激に対して強い感受性を持ち、集中し、簡単に吸収してしまう」敏感期としました。さらに、幼児期を前半の0〜3歳までを「無意識のうちに身の回りの環境を吸収していく時期」と、後半の3〜6歳までを「それまでに吸収したものを意識的に整理・秩序化していく時期」に分け、以下の6つに体系化しました。
- 言語の敏感期
- 秩序の敏感期
- 感覚の敏感期
- 運動の敏感期
- 数の敏感期
- 文化の敏感期
「人生を生き抜いていくために必要な能力の80%は、この幼児期に備わる」
マリア・モンテッソーリ
とマリアはこの時期の大切さを強調しています。
また「新しい段階に順調に入っていけるかどうかはその前の段階をいかに充実して終了してきたかにかかっている」とのことです。
その時期「何かに集中している」、「同じことを繰り返している」お仕事をしている子どもの周囲にいる大人の役割は、子どもが満足してそれをやめるまでただ見守り、途中で遮ってはいけないことです。消極教育とも言われています。
「手を使う」ことが知性を発達させることと繋がることも観察により発見し『モンテッソーリ教具』という道具を使うことも特徴の一つです。
日本でも「三つ子の魂百まで」と昔から言われていて、一理あるように思えます。
〈マリア・モンテッソーリが遺した言葉〉
子どもは永遠の救世主です。
何が大切なことなのか 何をすべきなのか
私たちに気づかせるためにこの世に繰り返し生まれてくるのです
マリア・モンテッソーリ
墓石には、
「愛するあらゆる可能性を秘めた子どもたちよ、人類と世界の平和を私とともに築いてほしい」
マリア・モンテッソーリ
と刻まれています。
〈子どもの家の様子〉
子どもの家のクラスは、異年齢の子どもたちが縦割りで活動しています。そうすることによって、お互いに、年上の友達を見習ったり、年下の友達のお世話をしたりする中で、学び合い、認め合う関係が育まれ、社会性も身につけていくことができると考えられています。
〈モンテッソーリ教育を受けて活躍している人〉
- 『アンネの日記』の作者アンネ・フランク
- 将棋の藤井聡太棋士
- マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ
- Google創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン
- Facebookのマーク・ザッカーバーグ
- Amazonの創業者ジェフ・ベゾス
- チェリストのヨーヨー・マ
- 英国王室のウィリアム王子
英国王室のウィリアム王子においてはその長男のジョージ王子もモンテッソーリのナーサリー園で学ばせました。
〈モンテッソーリが目指した子どもの姿とは?〉
↓写真右の「モンテッソーリで解決!子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68」(田中昌子・著/講談社)に分かりやすく書かれています。
一言で言うと、
「平和を生きる人」を育てること
「モンテッソーリで解決!子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68」(田中昌子・著/講談社)
なのです。
あとがき
モンテッソーリ教育は、けっして天才児教育でも早期教育でもなく、いつくしみの心を育てる教育です。「自分も大切、相手も大切」という関わり方が基本です。
「モンテッソーリで解決!子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68」(田中昌子・著/講談社)
また、そんな人って実際はどんな感じだろう?というのが、分かりやすい例えで載ってるのが、この本↓
「ママ、ひとりでするの手伝ってね モンテッソーリの幼児教育」(相良敦子・著/講談社)
先ほどの著者・田中昌子さんと共著も出されている相良敦子さんの本です。
モンテッソーリ教育を受けた人は、ある時点でその人が口を開くとみんながほっとするそうです。そして「やがて解決するぞ」と内心、安心するというのです。
「ママ、ひとりでするの手伝ってね モンテッソーリの幼児教育」(相良敦子・著/講談社)
ちょっと、田辺聖子さんが「品」ということについて、「その人のいつも考えていること、思っていることは自然と周りの人に感じられて伝染(うつ)っていくのよ。それが品というものよ」と語られていたことを思い出しました。
日本にモンテッソーリ教育が入ってきたのは大正時代。世界大戦の時には強い国を作るための教育、戦後はまた「180度違った」と教育がかわり、その後も教育は試行錯誤されています。学校指導要領も2020年にまた新しく変わりました。でも、2020年は集団でいることはどうなのか?とそもそもの集団生活から覆されるくらいのことが世界的に起きました。
そんな世界情勢の中で、この機会に改めて映画を通したりして「モンテッソーリ教育」がたくさんの人の目に触れ、知ってもらうことで、子どもの存在や大人の姿勢や接し方に氣づきが生まれることを楽しみにしている。
私たち誰もが子どもだったのですから。
子どもたちが、これからの世界を創っていくのですから。
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