19Nov
《選書》
私が所属している小学校での読み聞かせボランティアの会では、学期始めに対面で集まり、どのクラスに誰が読み聞かせに入るかを決めます。11月に支援学級のクラスに入ることが決まっていたので、選書について常に頭の片隅にありました。
そんなとき、ちょうど、都立多摩図書館1階 展示エリアでの企画展示「だれでも読めるこどもの本〜児童書で知る読書バリアフリー〜」(会期:令和6(2024)年7月20日(土)から9月30日(月))を知り、足を運んでみました。
都立多摩図書館の特別支援学校での読み聞かせガイドブックもあります。
選書は会場で展示されていたこちらの2冊にしました。どちらも、これまでにボランティア先の小学校ではまだ読まれていない本です。
1冊目『どろんこハリー』
時間はページの始めに間を取って、少しゆっくり目に読んで6分くらいです。
『どろんこハリー』は、長年家庭文庫を主宰され読み聞かせのボランティアも続けてその間子どもたちをずっと見てきた先生方も口を揃えて「この本は子どもたちが大好き!」とおっしゃいます。ハリーが「くろいぶちのある しろいいぬ」から「しろいぶちのある くろいいぬ」になって、また「くろいぶちのある しろいいぬ」に戻ってホッとするお話です。この対比がいいそうです。
2冊目『しっぽのはたらき』
こちらも、時間はページの始めに間を取って、少しゆっくり目に読んで6分くらいです。
見開きで、左右違う生き物のしっぽの説明になるので、左のページから右のページに移るときに、間を少し置きました。例えば、左は前のページの尻尾の説明の答えの生き物、右はまた別の生き物のしっぽの特徴を述べて、「なんのしっぽでしょう」で、その答えが次のページをめくり、左のページに答えが書かれている、といったものです。
《子どもたちの反応》
まず、家で練習しているときに、面白かったのが2歳の甥が「どろんこハリー、もういっかい!もういっかい!」と、このエンドレスのループにハマったことです。やっぱり、ほんとに、長年続けてこられた先生方のおっしゃる通り!
『しっぽのはたらき』を読み始めると、甥っ子は「ちがーう!」と言うんですが、こちらも通しで練習したいのでそのまま続けて読んでいるとそのうち「なんのしっぽでしょう」は私に合わせて言うようになりました。もちろん、甥が「ちがーう」と言うのを尊重して「しっぽのはたらき」まで通しで読まずに『どろんこハリー』を繰り返し読んだりもしました。練習はそんな感じで甥っ子の前ではなかなかうまく進みません。
さて、読み聞かせ当日。いつもはクラスで会場設営も終わっていて子どもたちがもう座って待っているところに入っていくのですが、支援学級では、別の使用していない教室に、私が先に待って、先生が子どもたちを呼んできて、揃ってから始めるという流れでした。クラスは縦割り学級です。
『どろんこハリー』を見た途端、「◯◯さんがこの前借りてた本だ!◯◯さんがいたら喜んだだろうね」や「ホントだ!きっと喜んだよね」という声が聞こえてきました。今日はお休みなのかなを推測する。「残念だったね」ではなくて「喜んだだろうね」という言葉がとてもいいなと思った。仲がいいんだなと伝わってくる。そういうことを思いながら読み始める。
「スポンジをくわえてるんだよ!」、「『しろいぶちのある くろいいぬ』もかわいいよ!」、読み聞かせガイドブックにも「ハリーが外で遊んでいる場面は、どこにいるか分かりにくいところもあるので、指を指して読むと良いでしょう」とあるように、子どもたちも「ハリー、どこにいるの〜?」と聞いてくるので、指を指して読みました。子どもたち、楽しんでくれたようです。
『しっぽのはたらき』では、「なんのしっぽでしょう」と読み終える前に、答えが返ってきます。思わず頬が緩みます。もう「なんのしっぽでしょう」は読まなくていいんじゃないかと思うくらいどんどん答えが飛んできます。一応読みましたが(笑)。子どもたちとのやり取りも本当に楽しい。
今回も、楽しんでもらえたようでよかった、と思いながら、そして子どもたちの優しさをもらったなぁと思いながら学校をあとにしました。