28Mar
この赤レンガの建物と、
この中庭の空気が大好きな場所の一つである「三菱一号館美術館」。
ただいま「ルドン秘密の花園展」開催中です。
先日の東京都美術館「ブリューゲル展」のチケット半券を見せて、相互割引特典で当日券100円引きで入館できました。
参考までに次回こちらを見せるとリピート割で当日券より200円引きになります。
こちら、昨年の「オルセー美術館展」の時に展示されていた「グラン・ブーケ」を描いた画家ルドンの特集です。
途中、撮影OKの部屋もあり、それがこちら。
これは、ドムシー男爵家の食堂の装飾画が並べられたもの。
食堂の壁の絵画だか、オレンジ系の色合いが多く、色彩心理学で言うと、オレンジ色は食欲増進、そして、会話を弾ませる効果があるという。
それを知ってか知らぬか、柔らかい色彩、タッチの絵画の中で、こちらの一点、これが「グラン・ブーケ」と呼ばれる絵。この青の存在感。目を奪われる。↓
柔らかさの中の爽快感。美しさ。華やかさを青という寒色で出しているところに、私は面白さと感銘を受ける。
そして、こんなに美しく、柔らかく表現している絵もあるのに、面白いことに、植物を人の頭部に見立てて、植物の中に人面を描いている作品もあり、心をくすぐるユニークな視点と技法も持ち合わせている画家がルドンだ。
他に、ひなぎくをモチーフにしている作品は、黄と青という反対色を使った表現。
19世紀、イギリスの詩人であり、デザイナーのウィリアム・モリスのデザインでも、ひなぎくのモチーフがあった。それから、チューリップのモチーフも。
チューリップは、ブリューゲル展でも説明されていたが、高級品だったそうだ。
そして、ひなぎくもヨーロッパの植物の代表的なものなのかなぁとこれを見て思った。
植物画の他に、ルドングランが「わたしの黒」と呼んだ細かく描かれた版画も展示されています。
印象に残った作品は、《『夢想(わが友アルマン・クラヴォーの思い出に)』Ⅵ.日の光》。
部屋の中から窓の外には一本の木。
窓の外の明るさの白と部屋の中の暗さの黒。
葉の一枚一体が細かく繊細で、気持ちがこもっているのを感じる。
そして、柔らかさも感じるのです。
アルマン・クラヴォーは植物学者で、スピノザやインド哲学に親しみ、ルドンの人間の頭部を持つ絵はこれらの影響を受けたと言われている。
(インド哲学と言えば、ヨガとの繋がりもあって、ここにもその影響が、と思うと面白味を感じた)
そして、ルドンに、この版画の技法の影響を与えたのが、放浪の画家と言われ、詩人のボードレールやヴィクトル・ユーゴーたちも影響を受けたという、ルドルフ・ブレスダン。
ルドンはブレスダンの肖像画も描いており、「賢いまなざし」と表現しているのを見ると、心から慕っていたのを感じられる。