22Sep
お彼岸ですね。
新宿へお墓参りにも行きたかったので、ちょうどよく損保ジャパン日本興亜美術館にて、
日本・スウェーデン外交関係樹立150周年記念「カール・ラーション」【スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家】
が今日からだったので足を延ばしました。
チケットは昨夜、セブンチケットで前売り券を発券。
セブンチケットだと手数料がかからず、前売り券を買いそびれたなぁと思っても近くにあるから便利。
美術館へは、ビルの入り口に案内標示があり、それに沿って美術館入口と書いてあるところからビルに入り、専用エレベーターで42階へ。エレベーター前には警備員さんがいらっしゃって案内をして下さいます。
ちょうど12時前に到着。
新宿西口は特徴のあるビルが多くて面白い。
ビルの合間の緑が東京の好きなところの一つでもあります。
ランチタイムだったこともあり、客足はそんなに多くなく、ゆっくり回れました。
所要時間はゆっくり回って、グッズもゆっくり見て、1時間15分ほどでした。
パンフレットを横浜美術館で見かけて、『スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家』、『日々を美しく。理想を生きた手作りの暮らし』~家族をモチーフにした温かい作品で知られるスウェーデンの国民的人気画家カール・ラーションが昔ながらの伝統が残るダーラナ地方の家、通称「リッラ・ヒュットネース」を、妻カーリンとともに理想の家へ改装していきました~というのに心惹かれました。
展示室の説明に、イギリスの思想家ジョン・ラスキンは「美・秩序・安らぎを与える家庭」と説いた。そして、保育原理や教育原理で必ず名前を聞くスウェーデンの女性思想家エレン・ケイもまた、カール・ラーションの影響を受けていると書かれていて、その名前をこんなところで見られて嬉しかった。
エレン・ケイは「美は人を高め豊かにする」と著している。
【カール・ラーションとその妻カーリンについて】
フランスでは画家クロード・モネ、オーギュスト・ルノワールたちが印象派としてサロンに新しい風を興していた中、スウェーデンのカール・ラーションは家族をテーマにたくさんの作品を遺しました。
カールとカーリンはお互い王立美術学校に通っていて、モネたちも訪れていたフォンテーヌブローにほど近いグレーシュルロワンで婚約。
カーリンは結婚と同時に筆を置き、その代わりに暮らしの中に創造性を見いだし、料理、ガーデニング、服のデザインから製作、室内装飾、テキスタイルを生み出したりとその才能を発揮していったのです。
当時は、庶民の家庭内で普段使うものには装飾を取り入れることは新しい生き方だったそうです。
またカーリンは着る服を自分でデザインし製作していたが、たくさんの子どもに恵まれたカーリンは、ゆったりしたワンピースで、当時の女性は身体を締め付けるデザインを着ていた中、珍しいものだったそう。
それでも、動きやすく品のあるその服は、女性たちの人気を集めていきました。
カーリンのデッサンも展示されていたが、筆を置くなんてもったいないと思えるくらい素晴らしい才能だった。
二人は、理想の家を、
どの部屋も子どもたちが楽しく過ごせるようにする!
部屋ごとに異なる時代様式のスタイルにする!
などをテーマに工夫を凝らしていった。
部屋を再現した展示もあって、色使いなどとっても素敵でうっとりで、楽しくなりました。
カールはカーリンのことを「家庭の天使」と呼んでいて、理想のお母さん像。
説明によると、カーリンは、テーブルクロスなどの手作りの物に、スウェーデンの神話、自然への愛モダンデザインの思想と技術的遺産、夢や祈り、家族の記憶も取り入れていたと。
パンフレットの中の作品について。
左側の“アザレアの花”と題された絵は、大胆に前方にアザレアを持って来ているこの構図は日本の浮世絵から影響を受けているそう。
右側中段の左側の薔薇の暖簾はカールとカーリンの寝室の間に掛けられていたもので、“愛の薔薇”という作品。
下の方の模様は四元素の風、火、水、土を表し、太陽に向かって愛の象徴である薔薇一輪スッとまっすぐに立っていて、その茎にはヘビ。結婚生活に置いて試練(ヘビ)が襲っても乗り越えられることを意味している作品だそう。
そのとなりの赤い紋様のテーブルクロスは“家族の木”を表しているそう。
その下のお皿はカールとカーリンが日々の食事のために絵付けしたもの。
花のモチーフの横に、毛虫(蝶の幼虫?)だったり、蜜蜂やてんとう虫も描かれていて、二人の自然に対する愛が感じられる。
その他展示品に緑色の花台があり、それは日本美術の「違い棚」を参考にしていたりするのは、日本人として嬉しかった。
また、テーブルクロスのモチーフが日本の家紋からインスピレーションを受けたものとか、ネイティブアメリカンの模様からインスピレーションを受けたものなど色々な場所の素敵なものを取り入れているところもよかった。
そして、カールは子どもの絵にも定評があり肖像画もよく描いた。
本当にカールの描く子どもたちの可愛さといったら!頬や目や口、そのバランス。子どもの表情も今も昔も変わらない可愛らしさ。
「明日はクリスマス・イヴ」という作品も子どもたちが並んでいて心温まる作品。
画家たちが上流階級向けの絵を描く中、ラーションは庶民も目にしやすい壁画や本の挿し絵をよく描いていたそうだ。
本の挿し絵もとても細かくて表情豊かで美しくうっとりさせられる。
ロールストランド社製、限定版「母の日イヤープレート」も、ブルー&ホワイトで子どもたちとの生活がモチーフで、これもらったら、絶対世のお母さんたち、心トキめいて喜ぶよね!と思った。
家庭の中の美、理想の家というと、英国のウィリアム・モーリスも頭に浮かぶが、やっぱり彼の影響も、モーリスは受けていたらしい。
人と人、思いと思いが今まで自分が見てきたものや知っているものと繋がったら嬉しいし、喜びがある。
出口の前にはIKEA協力のブースが。
そして、グッズがまた可愛かったよー。
またまたつい買ってしまうクリアファイル各450円(税込)。
カール・ラーション著作『わたしの家族ーカール・ラーションのおもちゃ箱』と『明日はクリスマス・イヴ』
それからスウェーデンのキッチングッズ、キッチンワイプ。水に濡らすと柔らかいスポンジ状になり、吸水力抜群、水回りのふき掃除やお手拭きとして活躍。スウェーデンのおなじみのアイテムだそう。
しかも毛羽立たず、乾きが早くて衛生的。非常に丈夫で、沸騰したお湯で消毒したり、洗濯機で丸洗いOK。最後は燃えるゴミとして出しても無害、土に埋めても100%分解されるエコ素材!税込594円。
と、姪っ子ちゃんが遊びに来たとき用トレイ税込1,080円。高めだけど、家族の絵と馬やリスが描かれていて可愛くて、姪っ子ちゃんが遊んでいる姿を想像してつい。
それからポストカード税込150円。
他に、とっても気になったのが、木彫りの白い馬と黒い馬。赤ちゃんのにぎにぎするおもちゃらしいけど、スウェーデンでは「幸せの象徴」らしい。
わたしのパワーアニマルはなんと言っても「白い馬」。
一番小さい10センチの高さのもので3,600円でした。迷った末買わなかったけど。
あとは、子どもの交通安全グッズ。光るマスコットキーホルダー、600円も可愛かった。
一筆箋もありました。
その空気に何度も触れたくなるくらいとっても素敵な展覧会でした。