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若い人を見守る視点【SWITCHインタビュー 達人達(ヨシタケシンスケさん×梅佳代さん)

あまりテレビは観ない方なのですが、本でもテレビでもラジオでも、対談ものは面白い。こんな人がいるんだ!という発見と、どういう考え、思い、生き方を重ねてきたか、生い立ちや家族構成なんかも知ることが出来たらさらに、例えば学校生活ではアウトとされた人でも、そのまま自分らしさを大切にし、貫けて、社会に出てみたら、むしろ学校より大きなところ、世の中に受け入れられ、尊敬されていたりして、それが面白く感じる。

NHK Eテレで放送されていた【SWITCHインタビュー 達人達】(絵本作家 ヨシタケシンスケさん×写真家 梅佳代さん)の回、前回はヨシタケシンスケさんについて書かせてもらいましたが、今回は梅佳代さんについて、書き留めていたいと思います。

最初の方で、ヨシタケシンスケさんと対談する直前に「芋食べていいですか?」と蒸し芋?を取り出され、パクッとされていたのが、ハッとして、その瞬間を捉えてシャッターをきるということを積み重ねていらした梅佳代さんらしい、まさにその瞬間だ!と思いました。お相手のヨシタケさんも、本当にその瞬間に「えっ!!」と驚くような「あり得ない」というような「困ったような」そんな様子が一寸も垣間見られず、「芋待ちっていうのも良いですね」とにこやかにその横で待たれていて、そんなには長くないけれど、短くもないその時間にとっても温かい時間が流れているのを感じ取られた。

参考までに梅佳代さんは今も「フィルムカメラ」で撮ってらっしゃった。「デジタルカメラは持っているんですよ(なんの自慢や!と自分ツッコミも入れられてた)。でも、慣れなくて。お金かかるから変えた方がいいかなとも思っているんですが」とおっしゃっていた。

【思い通りにならないこと、そういったもったいなさに対しての処理のしかたは?】

ヨシタケ絵は面白いところ『こういうの面白いと思うんだよね』というのをそのまんま描ける写真は思った通りにならないじゃないですか。それが面白いところではあるのですが、そういうもったいなさってどう処理しているんですか?」「『本当はもっとああいうのがよかったのにな』っていうか。先にイメージしすぎると辛かったりもするだろうなとも思うんですよ。

梅のこたえイメージはしていない。ゴールはない。設定がない全部ありにしている。たまにあと一歩、みたいな時はあるけど全然未練は無い。なんか記憶に無くなるっていうか。」

ヨシタケ「中学生から俳優さん、女優さんまで、被写体は変わるけどその辺の心構えは?」

梅のこたえどっちでもいい氣持ちでいっている。この日はこうだったっていう感じです。」「全て相手がいることなので、そこはあまり無理やりなことは…。記録っていう感じで。その人たちのその時っていう氣持ちです。『対話』っていうかその日の『ふわぁ』っていう感じ。『アホみたい』なんですけど…。そんな感じです。」

【SWITCHインタビュー 達人達】(ヨシタケシンスケさん×梅佳代さん)

「芋食べていいですか?」と聞いて食べていた梅さん、自分のそういったところを大切にして相手に伝えることができるから、相手のことも尊重できるのだろう。ちょうど読んでいた本「ハウ・トゥ・アート・シンキング」にも書かれていた一説を思い出した。

アートの制作は、主体である「作者」にとってさえ、計画どおりにはできません。

つくり終わってみると、当初思ってもいなかったような作品ができているのです。ここで興味深いのは材料による自由の「制限」、つまり思い通りにならないものとの出会いによって「思いもよらない」作品ができる、ということです。アートをつくるとき、素材の制限に触発されて、「自分」が変化していくのです。

「ハウ・トゥ・アート・シンキング 閉塞感を打ち破る自分起点の思考法」(若宮和男・著/実業之日本社)

イメージ的に芸術って「自分を表現できていいな」と思っていたけれど、そこには表現する側、される側、材料、瞬間、全てが思い通り、ということではなく「歩み寄り」というのか、「任せる」「委ねる」というのか、そこにある「合わさる力」「ハーモニー」が表現されているのかも。一方通行ではない相互理解。そういうことを感じた回でした。(上の本の内容もそういうところが印象に残りました。)

【「子どもを見つめるまなざし」とは】

梅佳代さんのお話の中で一番印象に残ったのは、「目を細めて見る」とおっしゃっていたところ。まさに観音さまとか菩薩さまの仏像や絵が思い浮かんだ。

梅さんもヨシタケさんもお子様がいらっしゃいますが、そのことでも対談。

ヨシタケ「子どもができたことで何が一番変わったのか?また、言うほど変わんねえなというのはどこですか?」

梅さんのこたえ「大人になって増えたのは『目が細まる氣持ち』。二十歳(はたち)のときに見る中学生と38歳になって見る中学生ってちょっと違うじゃないですか。今のほうが断然目が細まる。『うんうん』みたいな。細まりたい。細まりたいじゃないですか。あの子たちを見て細まらんなんてこの年齢で。細まるしかない。

ヨシタケ「それがやっぱり年取ることの面白さだなと思うし。目は細まりつつそこにあるのはやっぱり面白さ。」

「この人すごい面白い。子の人目が細まるとか。」「70歳くらいからが楽しみ。目の付け所が、70歳以上とか80、90とかになればなるほど見てるところが違うので私もその域に行きたい。」

【SWITCHインタビュー 達人達】(ヨシタケシンスケさん×梅佳代さん)

その視点に氣付いた梅佳代さんも面白いと目が細まる。子どもたち、そして人って面白いな、と本当に、私も今身近に4歳の姪っ子がいて、その成長をそばでずっと見てきて本当にそう思うし、自分のこともこうやって成長してきたんだ!と面白く思える。そしてそういう細まる目を持った歳の重ね方ができたらいいな。

【「梅佳代らしい写真を撮らなきゃ」というプレッシャーは?】

梅さんのこたえ「『知らんし』と思う。『知らない』というのは『自分(梅佳代)らしい』を知らないので。」「でも『撮れないもの』ははっきりしているので。『シャッ』ていうみたいな『スッ』みたいなやつ。『スッ』とかわかります?『シャッターを切ってくれポーズ』っていうか。すごい遠くばかりずっと見とったら『えっ!私ここにいます』みたいな。でも『プロの世界やったら遠く見るほうが正解なのかしら?』とか。いろいろ思うけど、でも、もしかしたら来年くらい『遠いとこ見てる写真ブーム』とか来るかも知れんし、自分でも分からないですけど。」

ヨシタケ「『ウソつきめ!』みたいな…」

梅「そうそうそうそうそう」

【SWITCHインタビュー 達人達】(ヨシタケシンスケさん×梅佳代さん)

梅佳代さんも、賞を取るような作品を発し続けていらっしゃる方なのに、「えっ」とか、「どっちが正解なのかしら?」とかいろいろ思いながら、迷われることもあるんだな、とか、自分のことも先のことは分からないとおっしゃっていたのも、そんな感じでいいんだなと、楽でいいんだ、決めつけないでいいんだ、と思える対談だった。

写真集「じいちゃんさま」について

「『じいちゃんとばあちゃんがもしかしたら死ぬかも』というのがあって『年寄りやから』そしたら『一生会えんとか嫌すぎる』というのがあって。まず先にじいちゃんを撮り『まず先にじいちゃんが死ぬ』って勝手に思ってたんですけど『ひどいよね』。(吹き出しそうになりながら笑いながら)」

【SWITCHインタビュー 達人達】(ヨシタケシンスケさん×梅佳代さん)

勝手に思ってひどいよね、と笑っているところも、なんだか正直で、でもそういうところってあるよね、と思った。じいちゃん子だった私も「会えないとか嫌すぎる」っていうの本当によくわかる。その氣持ちをそのときに一番大切に、一番に優先して選んで正直に行動した梅さん、好きだなぁと思う。

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