8Jul
このタイトル、自分の中でこれまで生まれそうにもない思考だったので、興味が湧き、手に取った。
心に残った内容を紹介しますと、
「本質を見抜く」
「本質的」とは何か、というと、「普遍性(応用がきくこと)」、「不変性(時が経っても変わらないこと)」、「単純性(シンプルであること)」
そして、この3つ以外にもう一つ付け加えるとすれば、自分なりの思考の結晶を見て「ちょっと気持ち悪いな」と感じたら、まだ核心をついていないということだ。そうした違和感を感じ取る能力を持っていることが重要。
「違和感」って、叡智だと思う。
他のことにしても、自分の中でこの違和感があるときは、面倒くさがらず、何か事を進めようとしているときでも立ち止まって確認することが大切だ。
そして、周りの人も、自分が立ち止まったことを、責めたり、面倒くさがったりしないで、向き合ってくれる人たちであることが大切だ。
周りの人が同じように立ち止まった時にも、面倒くさがらず、応えることが大切だ。
お互いに、安心して違和感がなくなるまで、付き合える関係がいいと思う。
2020年以降の日本はこうなる
仕事とは、個人の天才性を周りへの環境へはめ込む作業となる。仕事の定義は労働からコミュニティへの「貢献」へと変わる。相手の感情を知覚する力が尊ばれる。
「信用」を貯めよ
価値と信用を創造する力が大事。
お金の使い方に品格があることで信用される。
というところも、なるほど、と思った。
ソサエティからコミュニティの時代へ。
コミュニティについては、一つは強いコミュニティに入ること。
もう一つは、コミュニティの創業メンバーになること。
創業メンバーになる、という発想とバイタリティーも必要になってくるんですね。
著者は「その中で個人はどうあるべきか。私は頑強に個を保つより、“個は溶け去ってしまう方がいい”と思う」と述べている。
個人と個性は切り離される、というのだ。
個人から関係へのシフト、それこそが2021年以降の最大の変化である。
と。
個人の時代は終わり、これからは個性の時代。個性と個性をパズルのように組み合わせる作業によって全体を構成していく。そして、それを共同体の中で行っていく。それが仕事における変化。
まず個人(自分)のことは忘れよ、そして個性を見いだせ。そして業界を、地域を、国境を、会社組織を超えて、各々の個性(天才性)を組み合わせよ。そうすれば大きな貢献が生まれるだろう。
その天才性とは、
幸福の半分は天才性に気づいているかどうかで決まる。
天才性とは、「英語が得意」と言ったスキルレベルでもなく、もっと微細で、深いレベルの自分の強みのこと。
だそうだ。
ここでも、
モンテッソーリ教育が紹介されていた。
幼児期の教育、本当に大切だと思う。
それから、
まずは、一緒にいて気持ちの良い人になる必要がある。
ここ、付き合う上で大切にしたいと思うし、周りの人も、ここを大切にしている人だといいなぁと思う。
忘れないで、心に留めておこう。
コミュニティと経済の関係 ~経済の中心はピア(関係)へ~
21世紀、人が一番お金をかけるのは、プラスのピアエフェクト(好影響)を与えてくれる人材を側に置くことだ。関係こそが健康と幸福のすべてだと気づくからだ。
と。
自分自身を、周りの人にとっても居心地の良い状態でいられるように、いつでも整えられるようになっていたい。
そして、自分はどんな人と一緒だと居心地が良いかも、理解しておきたいし、ある程度どんな人(よほどの人でない限り)朗らかにいられるようになっていたい。
著者の「本当の自分」の定義も面白い。
本当の自分というものは「世界」、狭義で言えば「環境」のことである。(中略)住む場所や付き合う人々、もしくは部屋の状態や食するモノもすべて自分であり、すべて有機的につながっている。
とある。
すべて自分なのだ。
コミュニケーション力とは、言ってみれば「人との距離感のマネジメント」
マスター(職業軸のつながり)・メンター(プライベートな軸のつながり)を持つ
なぜならコミュニケーション作法や所作、考える枠組み、倫理基準などの仕事のスキルは「身体知」であり、言語化できるものではないからである。
身体知を身につけるためには、仕事のロールモデル(師匠)を見つけて、じっくり観察してモデリングすることが成長への最短距離である。
学ぶという語源は真似るから来ている、と言う。
自分にぴったりのマスター・メンターが見つかるといいですよね。
逆に言えば自分が成長したときは、面倒くさがらずにプロフェッショナル軸の「弟子」とプライベート軸の「後輩」を持ち、その系譜を永続させていく姿勢が重要である。
育てる側に回る、というのを意識したら、より成長度合いも増すだろう。
人間とは常に自分のわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存者戦略とした生物種。
人生を生存から創造へ変えよ
などなど、著者の、人、人間に対する愛が伝わってくる本。
そして、関係性を改めて捉え直すきっかけも与えてくれる本です。