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「空気を読んでも従わない」同調圧力を楽に躱す方法って?SWITCHインタビュー達人達【ブレイディみかこ✖️鴻上尚史】

NHK EテレSWICHインタビュー達人達」でブレイディみかこさんのリクエストで対談されていた鴻上尚史さん。お二人のお話し「エンパシーとシンパシーの違い」についてもとても分かりやすく「なるほど」と唸ったのですが、「多様性」「同調圧力」についても分かりやすく話されていました。

「同調圧力」のかわし方がとっても分かりやすく、参考になったので、ここで書き留めておきますね。

同調圧力と言うのは、結局、自分の当たり前が相手(周り)の当たり前、と信じて疑わないところからも来ているのではないかと思います。鴻上さんの著書「コミュニケイションのレッスン」の中でも語られています。↓こちらの引用は、先日の「本当のコミュニケイション能力って?」の中でも書きましたがここでも紹介しますね。

自分の「当たり前」はどこから来ているのか

お風呂はぬるめがいいのか熱めなのか、ご飯は硬めがいいのか柔らかめなのか、朝はいきなりカーテンを開けるのか開けないのか、言いにくいことを言う時にどんな言い方をするのか

(中略)

無意識的にしてきたことを、意識的に見られるようになれば、自分の「考え方」「人との接し方」「コミュニケイションのやり方」を客観的に見ることができるようになります。

「どうして、こんな当たり前のことを分かってくれないんだろう」「どうして、こんな当たり前のことに気づかないんだろう」という「自分にとって当たり前」のことが相手にとっては当たり前じゃない、と気づき、じゃあ、自分の当たり前はどこから来たのだろう?と考えることは、素敵なコミュニケイションのための必要なステップなのです。

「コミュニケイションのレッスン」鴻上尚史

まず、「自分の当たり前」を疑うことから、始めるのも手だと思います。同調圧力を感じるのも苦しいですが、同じように、自分も知らない間に、氣がつかないうちに、相手に同調圧力を与えていないかを客観的に見つめることは、お互いに居心地のいい人間関係を築いていく上で、常に大事なことだと感じます。

番組では、「同調圧力」に対してどうすればいいか、「ほがらか人生相談」の本での鴻上さんの「具体的で実行可能な、相手の身になって答えられた回答」が紹介されていました

(相談者)「個性的な服を着た帰国子女の娘がいじめられそうです。

普通の洋服を買うべきですか?」

(鴻上さんの答え)「いきなり、身もフタもなくいえば、『みんなが同じになろう』という『同調圧力』は日本の宿痾です。

敵は『日本』ですから、大ボス中の大ボスです。正面から切り込んだら、ほぼ間違いなく負けると思います。

(中略)

学校には、同調圧力に合わせて地味な服で登校します。

その代わり、親しい友達とのお出かけや放課後は自分の着たいおしゃれな服を選ぶのです。

(中略)

大切なのは、学校に地味な格好をして行く時『負けた』とか『悔しい』とか『本当はこんな格好したくない』とかネガティブな思いにならないことです。

それは、生き延びるために選んだ戦い方のひとつだと、娘さんと話すのです。

(朝日新聞出版「鴻上尚史のほがらか人生相談」より)

一番大切なことは、「自分の中で(ネガティブな思いと表現されていますが)卑屈な思いや、苦しい思いや、いじけたりしないこと」だとこの回答からも教えてもらいました。10代の頃、周りにこんなことを教えてくれる大人がいたら、どんなにか社会に向き合う心算が明るく持てたことだろう、と感じます。「誰に相談するか」というのも本当に大切なことです。ブレイディさんも「本当にその人に向かって書いていらっしゃいますね。その相手に向けて本気で書いていらっしゃる」と感服なさっているのが伝わってきました。同感!

【追記】鴻上さんは「大切なのは、ネガティブな思いにならないことです」とおっしゃっていますが、マドモアゼル・愛さんもYouTubeで「心を闇の住処にしてはいけないんだなと思っています」とおっしゃっていましたよ。

また番組では、鴻上さんのことを

「その底に流れるのは『理不尽なルールに縛られず自由に生きよう』というメッセージだ。」

NHK Eテレ-SWITCHインタビュー達人達-「ブレディみかこ✖️鴻上尚史」

と紹介されていました。

そんな思いに至るルーツは 実は 鴻上さんの幼少期にまで遡り、愛媛県新居浜市で小学校教師のお父さまの「個人を尊重していないこと」「一律に何かやろうとしていることはおかしい」という考えのもとに「それはそうだ。ちょっとこれはおかしいな」ということに関して敏感になる育てられ方をした子供だったそうです。

鴻上「おかしいことはおかしいとかっていうふうに思うことをずっと思ってきましたから。(中略)先輩後輩というのも全然僕は納得できなくて。要は ろくでもない先輩ほど先輩風を吹かすじゃないですか。それで、良い先輩は絶対先輩風を吹かさないじゃないですか。そうすると、いい先輩は 先輩風を吹かさないから自然にリスペクトができるじゃないですか。」

ブレイディ「校則に関してはどう思われますか?」

鴻上「校則は もう 本当に 中学校から もう無意味な校則に対して闘い続けましたね。本当にね もう…。」

ブレイディ「無意味なの多いですもんね〜!どうしてなんだ?って。」

鴻上「ほぼ、全部無意味と…。本当にだってもうリボンの幅だの髪の長さだのみたいなのは 全く無意味なわけで。中学校の時は それをなんとかしようとしたんだけど駄目で。駄目っていうか 闘って。で 高校入ったら 生徒会長になって それを 何とか変えたいなと思って。でも 一番の変えたいと思った理由は 要は 学校の先生を尊敬したいし 信頼関係を築きたいわけですよ。信頼関係を築きたいんだけど 例えば 僕らの時代は 女の子で言うと『肌色のストッキングしかダメ だ』とかね。『黒はダメだ』とか言うわけですよ。でも、隣の学校へ行くと黒がOKで肌色はダメだとか言うわけですよ。で、『何でですか?』って聞いても先生の納得できる答えなんかないわけですよ。人生相談できて笑ったのは、『リボンの色が白はダメだ』っていうのがあって。先生に『何で 白はダメなんですか?』って投稿した高校生が聞いたら『目にチラつくだろう!』っていうことを先生が言ったっていって。もうね… ちょっと 想像を超えた世界ですよね。」

ブレイディ「目にチラつく」。

鴻上「『目にチラつく。白がね』って。先生も考えたと思いますよ。先生も もう『校則を変えない』という前提しかないから。」

(中略。お二人、トークに力も入って大笑い。)

ブレイディ「結局、何かね やっぱり 社会への信頼ができないっていうのはそこなんですよ。そういう 屁理屈を言っている教師って分かるじゃないですか 子どもも。政治家もそうなんですよ。そういう人たちが 教師であり 政治家である社会を信じられるわけないじゃないですか。(と力強く語られる)」

鴻上「本当に 信頼関係 築きたいし リスペクトしたいのに そんな愚かなことで どんどん その 学校も見限るし 先生も見限って行くし だから 『お互いにとって損ですよ』ってことをね ずーっと 僕は 言ってたんだけど でも そうやって ずっと いまだにですね いまだに だから 無意味な校則とかになると 本当に ちょっと 我を忘れて熱くなりますね。はっきり 大人気ない態度を取ってしまいます。」

NHK Eテレ-SWITCHインタビュー達人達-「ブレディみかこ✖️鴻上尚史」

校則のことを「ほぼ全く無意味」と言い切る鴻上さんとブレイディさんがカッコ良かった。「ほがらか人生相談」への投稿された高校生からの相談だから、今もやっぱりそうなの?私の時も、全く同じような校則。そして、それについて、中学や高校の先生や先輩が言ってた「目にチラつくだろ!」っていう答えに、もう笑うしかなく、ここは端折らず引用しました。

中学校も、全員部活の、男子丸坊主、女子は髪は肩まで。結んでもダメ。「全員部活」という校則もありました。

「『健全な育成』のため」というのは想像はつくけれど、しかも文化部がほぼほぼ無い学校で、うちは、祖母が失明していて、それでも祖母は自分でできることは何でもやろうとしていたけれども、やはり、買い物などもそばについて一緒に行くことが必要で、母親も他に兄弟姉妹がなく一人娘だったため、身体が一つしかないから、なるべく祖母の付き添いは私がやろうと思っていたけど、運動部で、夜遅くまで部活があって、その板挟みに正直苦しい思いをしました。

鴻上さんのお父様が言うように、個人を無視した全体のことしか考えていないルールと言うか、いろいろな家庭があるのに、その辺が全く視野に入れられていない決まりごとだ。

そういうところは大人になって本当にスッキリしたところはあります。自分が所属する場所を(全く自由ともいかない時もあるけど)、自分で選択できることが大人になって何より良かったことです。

今も学校がそんなところなら、そんな中で、人と違って苦しんでいる少数の生徒がいるかも知れなくて、早く、そんな体制が変わってくれることを切に願う。

こうやって社会からの信頼もあり、活躍されているお二人が、校則を始め、理不尽な、無意味と思われるルールについて熱く語っていらっしゃるところに本当に胸が打たれ、心が震える思いだった。

ブレイディ結局、でも 多様性っていうのも対応能力の問題にすごく関係していると やっぱり思っていて。その 自分の信じているルールだけが すべてではなくて 人が信じているルールは また 違うかもしれない。じゃあ その中で こういうルールもあるんだねって それこそ その人たちの靴を履いてみて 考える中で 何か こう 一緒に折り合っていけるのは それこそが 何か 多様性であり そうじゃないと やっぱり 対応していけない世の中に もう なってくるから。

鴻上「コミュニケイションのうまい人は何かって言うと 日本人は 誰とでも友達になれるとか、 わりと簡単に 人間関係を築ける人のことをコミュニケイションがうまいって思われていると思うんだけど、コミュニケイションがうまいっていうのは 物事がもめたときになんとかできる能力がある人のことだと」

ブレイディ「そうなんです。それが対応力なんですよね。だから多様性があると すごく もめるんだけど、それをどう折り合いをつけてやっていくかっていう力っていうのは 何か…自分たちだけ通用するって言っても駄目なんですよ」

鴻上「もめたときに何とかできることを練習しなきゃいけないのに 今 日本の まず 学校でやっていることは 『みんなが同じリボンの幅をそろえましょうね』とか『色はこれですよ』とかっていうわけですよ。

NHK Eテレ-SWITCHインタビュー達人達-「ブレディみかこ✖️鴻上尚史」

お二人の意見、ごもっとも!!

この下の2冊にも同じような解決策というかスッキリするようなアドバイス内容が書かれています。

「『空気』を読んでも従わない」の方には10代ティーン向けに制服のことが。「この世界はあなたが思うよりはるかに広い」にはリクルートスーツについて大人向けに書かれています。

【リクルートスーツと同調圧力・リクルートスーツと「所与のもの」】

(略)

僕は、「マスコミはどんな形であれ希望を語るべきだ」と思います。小さなテクニックを伝えることと同時に、「同調圧力の問題」を語ることもマスコミの使命ではないのかと考えるのです。

なぜなら、ブラック企業をはじめとする日本企業の問題点は、実は、この強すぎる「同調圧力」が原因だからです。上司が帰るまで会社を出られない問題も、休みを取った後、会社に出てきた時「ものすごく楽しかったです」と言えず、多くの日本人が「いやあ、天候が悪くて(人が多くて・ものすごく疲れて)大変でした」と喜びを堂々と語れないことも、すべて中途半端に壊れながら残っている世間の強制力である「同調圧力」の問題だからです。

「よく分かんないけど、みんな黒系のスーツ着てるから、とりあえず着ておこう」という発想は、「よく分かんないけど、みんな、サービス残業してるから、そういうもんなんだろう」に、簡単につながるという、アホみたいな事実にどうして気づかないんだろうと思います。

そして、「どうもブラック企業みたいなんだけど、みんな、なんだか働いているから僕も働いておこう」に簡単にシフトするのです。

僕たちは、まだ中途半端に壊れた「世間」に住んでいて、日本人は世間を「所与のもの」として考えます。そして、「所与のもの」の中で「どう生きていくか」がテーマであって、「所与のもの」そのものを疑うことを極端に嫌います。

それは、世間的に言うと「自分の所属している共同体を疑う」ということだからです。そんなことをしている人間に対しては、「この村を出て行け」「この街を出て行け」「この国を出て行け」と対応します。

(中略)

で、僕が言いたいのは、「そんな社会、息苦しくないか?俺はヤダよ。だから、マスコミとか発言力を持っている人は、『所与のもの』を疑い、少しでも『同調圧力』を減らす文章を書こうよ」なのです。

 「この世界はあなたが思うよりはるかに広い」(扶桑社)P266〜P277

鴻上さん!気持ち良いくらい痛快!

この世界は、思っているより、はるかに広いのだ

NHK Eテレ-SWITCHインタビュー達人達-「ブレディみかこ✖️鴻上尚史」の回について書いている↓

鴻上さんのこと、生い立ちや、校則に対して、どんなふうに高校生の頃、生徒会長として行動してきたか、をこちらの「ほぼ日刊イトイ新聞」の記事で知ることができて面白かったので、紹介したいと思います↓

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