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至上の印象派展 ビュールレ・コレクションへ行きました

東京の国立新美術館にて、5月7日(月)まで、至上の印象派展ビュールレ・コレクション開催中です。

世界中にはたくさんのコレクションがある中でも、一点一点が質の高いコレクションだとのこと。

ちょうど今、東京都美術館では、プーシキン美術館展も開催中。

こちらは、旅するフランス風景画と題し、モネを始め、セザンヌ、ルノワール、クールベ、アンリ・マティス、ドガの作品も同時に観られる。

これらの作品のコレクターに思いを馳せるのも面白い。

昨日の金曜日、国立新美術館には午後二時くらいに到着。

入り口には次々にお客様が訪れていました。

今回のコレクターであるビュールレ氏はドイツ生まれで、エリコン・ビュールレ社のオーナーとなり、スイス国籍を得て一家でチューリヒに移住した実業家。

親は学校の先生という環境で育ったそう。

哲学なども勉強していたというビュールレ氏。

今回のコレクション、全てこの一人のコレクターによるもの。

2020年にチューリヒ美術館に移管されるため、日本で見ることができるのは、最後の機会になるとのこと。

印象派・ポスト印象派の作品を中心に64点が展示され、その約半数が日本初公開という。

展示室は全部で10部屋からなる。

まず一部屋目は、【第1章 肖像画】

人物画を得意としたルノワールの「アルフレッド・シスレーの肖像」やドガの作品も。

他にフランス・ハルスやクールベ、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル、アンリ・ファンタン=ラトゥールの作品。

そして、次は【第2章 ヨーロッパの都市】

こちらは、特に、アントーニオ・カタールの「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、ヴェネツィアカナル・グランデ、ヴェネツィア」の写真の様な緻密な筆使いと構成に目を奪われる。

この絵を描くのに一体どのくらいの時間を要したのだろう。

写真に留めて描けるということはできない時代に、見る者にこんなに正確に見えるように、影の一つ一つにしても、どうしてこう描けるのだろうか?

この景色の一瞬を、どうやってとらえて、保ち続けてこの一枚の絵に描き留められるのだろうか。

この時代、観光客向けに描かれた風景画ということ。

そして、同じ場所、風景を、また全く違った筆のタッチ、柔らかい色調の線描家のポール・シニャック。ゴッホとも仲が良く、ゴッホの描きかたにも影響を与えたという。

クロード・モネも柔らかい色調の絵画。

フランチェスコ・グァルディ、野獣と呼ばれたアンリ・マティス。

【第3章 19世紀のフランス絵画】

ドラクロワの宗教画もあり。ここで印象に残った作品はマネの「燕」。白い服装の女性と黒い服装の女性の対比と、その服のレースなどの描写の細やかさ。

バルビゾン派カミーユ・コローの「読書する少女」も、モデルの女性が合間に何気なく気を抜いているところの描写がいい。

【第4章 印象派の風景ーマネ、モネ、ピサロ、シスレー】

日本初公開となる、マネの晩年の作品「ベルヴュの庭の隅」こちらは印象派の父と呼ばれ、モネやルノワールに影響を与えたというマネが、逆に印象派の影響を受けているとされる面白い作品。

季節はちょうど今頃でしょうか。

 

モネの「ヴェトゥイユ近郊のヒナゲシ畑の赤にとても心をくすぐられました。

モネ「シヴェルニーのモネの庭」、先のマネの「ベルヴュの庭の隅」は、とても雰囲気が似ている作品ですが、微妙にタッチが違うところ、この2作品が揃っているところも心が踊るコレクション。

緑の深さと柔らかさ、そこにモネの庭では様々な色の花が咲き乱れ、これは、バラでしょうか。

心を明るく、柔らかくしてくれる作品です。

他に、カミーユ・ピサロの作品。

【第5章 印象派の人物ードガとルノワール】

ついに会えました!

絵画史上最強の美少女(センター)

と、このコレクションの中でもイチオシされている、ルノワール「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」

NHKの日曜美術館(3月4日放送)によると、ユダヤ系銀行家のダンヴェール氏が当時サロンで人物画の評判が高くなってきたルノワールに、イレーヌ嬢の肖像画を依頼する(まだまだルノワールより有名な画家がたくさんいた頃)。

印象派から古典よりに、筆のタッチ、技法を変え始めた作品だという。

しかし、この絵、当時の肖像画としては斬新な構図とタッチで、出来上がりはダンヴェール夫妻の想像していたものとはかけ離れていたため、夫妻は気に入らず、人目に触れないところに飾られることに。

ダンヴェール夫妻の想像していた肖像画とは、それまでの伝統的な、緻密な筆使いの、ステイタスを表した肖像画であり、イレーヌの髪の毛のクセがある感じも気に入らなかったというのだ。

実際に、ダンヴェール婦人の方は、古典的な肖像画を描いてもらっている。イレーヌも、どうしてお母さんの絵は素敵なのに自分の絵はこんな感じなの?とあまり気に入っていなかったという。

イレーヌの下の二人の妹たちの肖像画も、ルノワールは依頼されるのを期待していたのだが、本来なら一人一人一枚ずつのはずが、二人一緒に一枚の作品として描くことになり、ルノワールはとても憤慨していたという。

そして、時代は世界大戦に入り、ナチス軍の手に渡る。

イレーヌ嬢も、ユダヤ人ということで収容所に送られ、妹を早くして亡くしてしまう。

戦後、ようやくイレーヌの元に戻ってきたものの、コレクターに買い取ってもらうことに。

イレーヌは、この一枚の絵にどんな感情を抱いていたのだろうか。

もしかしたら、ルノワールに依頼をしたことを、母が父を、もしくは、父が母を、お互いに責め合っているのを目にした幼いイレーヌは、胸を痛めていたのかもしれない。

妹たちのこと、両親のこと、苦しかったことの方が、より強く思い出されたのだろうか。

それとも、手放したくはなかったけれど、経済的な面で、手放すことにしたのだろうか。

にしても、イレーヌ嬢の艶やかな白い肌と、健康的な赤みの頬とくちびる。それを際立てる、背景の混色。絶妙な顔の角度。

見るものの心を一瞬でとらえる。

そして、同じく、ルノワールの「夏の帽子」。

姉妹だろうか?ちょっと年長の女の子(いや、お母さん?)が年下の女の子の帽子を直している微笑ましい一枚。

この頃から、水玉模様のテキスタイルがあったのだぁ!

それから、踊り子の絵画といったら、ドガの作品。

(豆知識:明治時代の日本画家 渡邊省亭(せいてい)(1851ー1918)は1878年パリ万博に派遣され、印象派のドガなどと交流し、その時西洋画の技法を学ぶ。省亭は日本画に西洋の写実表現を取り入れ独自の花鳥画を描きました。省亭は花鳥画の他に美人画も得意とした。その長男 渡邊水巴(すいは)(1882ー1946)は俳人で時に俳句とともに絵も描いていました。『省亭と水巴は生粋の江戸っ子で浅草育ち。都会的な洗練された美意識、粋な感覚を絵画や俳句に表現しているところが魅力的。【東京世田谷区 齋田記念館 主任学芸員 峯岸佳葉さんによる】』)

展示はまだまだ続いて、

【第6章 ポール・セザンヌ】

こちらも、イレーヌ嬢と共にパンフレットにも掲載されている「奇跡の少年(ギャルソン)。」

モデルの少年を描いている作品。

セザンヌ婦人の肖像や自画像。セザンヌは自画像を25点描いている中で、作品を作成中のパレットを手に持った自画像。

ビュールレコレクションは特にセザンヌの作品が充実しているという。

【第7章 フィンセント・ファン・ゴッホ】

自画像や、日本画の影響を受けていることが感じられる「日没を背に種まく人、そして、空の水色と青の線、花の白からピンクに黄色、様々な濃さの緑の葉。涼やかで柔らかい色調の「花咲くマロニエの枝

ゴッホが、度々描いていたという「古い塔」。

そして、次は、ゴッホと一緒に住んでいたゴーギャンの作品。

【第8章 20世紀初頭のフランス絵画】

ここでは、ゴーギャンゴッホに向けた肘掛け椅子の上のひまわり」。

「贈り物」は、タヒチの女性が赤ん坊にお乳をあげている姿。

キュービズムのピカソが描いた肖像画「ギュスターヴ・コキオ肖像」。

ロートレックの「コンフェッティ」、ヴュイヤール、ボナールの作品。

ゴッホが大好きだったミレーからインスピレーションを受けた「種蒔く人」。

種を蒔く人とは、伝道師の意味も含まれている。実はゴッホは伝道師になりたいと思っていたが、叶わなかったという。

ミレーの落穂拾いを参考にした作品も。ゴッホらしいタッチでこれも好き。ただ、この作品を描いた頃は、精神を病んで病院に入っていた頃。

【第9章 モダン・アート】

フォーヴス(野獣)と呼ばれたモーリス・ド・ヴラマンク、アンドレ・ドラン、キュービズムのピカソとジョルジョ・ブラックの「ヴァイオリニスト」など。

ピカソの静物画、静物画は五感を表していることもあるという。

【第10章 新たなる絵画の地平】

こちらは、撮影可能で、日本初公開の高さ2メートル、横4メートルの作品。↓

やっぱり、モネと言えば睡蓮。

この部屋を過ぎると、限定グッズが販売されているショップ。

私は、450円のチケットホルダーを購入しました。

写真、右側の「シヴェルニーのモネの庭」。

この前の東京都美術館で買ったチケットホルダーとは、サイズが微妙に違いました。

国立新美術館のチケットが東京都美術館や国立西洋美術館のチケットより少し長いということが判明。

左のチケットホルダーだと、国立新美術館のチケットはちょっとはみ出してしまうのです。

中はこんな感じ↓

他にも、数種類あり。

中の色もオレンジだったりと違ってきます。

他には、A4サイズのクリアファイル 400円など、手頃な値段で魅力的なグッズがたくさんでした。

ビュールレ氏のここまでの迫力あるコレクションに圧倒され、鼓動がいつまでも続いた1日だった。

国立新美術館では、5月7日(月)まで。

その後の巡回は、

福岡・九州国立博物館 5/19~7/16

愛知・名古屋市美術館 7/28~9/24

【参考】

NHK日曜日美術館

BS日テレ

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