今を愛しく丁寧に暮らしていく

今月の選書も、『小学校での読み聞かせガイドブック』を参考に。

ロシア民話の『おだんごパン』は、１年生向けにと、こちらの本でも読み聞かせボランティア講座でも紹介され、実際に読みやすかったですが、エンディングはちょっぴり衝撃的なので、もしかしたら敏感な子どもはショックを受けるかもしれないと思い、別の本を探すことにしました。

そこで、『小学校での読み聞かせガイドブック』にもあるこの２冊の組み合わせ。これから冬に向かっていく今の季節にもぴったり。

【１冊目】

『くんちゃんのだいりょこう』

約６分。

くまの親子と渡り鳥のやり取り、そして、こぐまのくんちゃんはどこまでだいりょこうへいくのでしょうか。お母さんぐまとお父さんぐまがこぐまのくんちゃんを見守る優しさがじんわり心を温めてくれます。一つ氣になるところは、くんちゃんが出かけるときにお母さんにキスをするところです。日本にはそういったときにキスをする習慣はほとんどないと思うので子どもたちはどう思うだろう？学生の頃、イギリスにホームステイしたときに、ホストファミリー宅には中学生の男の子がいたのですが、ホストマザーが「日本の生活習慣を知らなくて、以前、初めて日本人の女の子を預かったときに、うちの子が『おやすみのキス』をしてしまって、その女の子を泣かせてしまったことがあるのよ。だから、日本人のあなたには『おやすみのキス』は頬にするわね」と言われたことがありました。

読むときに氣をつけたことは、「南の国へ行く」と「南の国に行く」、「へ」「に」両方の表現が出てきてうっかり読み間違えそうになったところです。「かけていく」もイントネーションが難しかったです。

【２冊目】

『ウクライナ民話　てぶくろ』

約5分。

子どもたちには馴染みの作品です。

絵も見やすく、繰り返しのやり取りがしばらく続きます。この本でも「かけてきました」という表現があります。

【今回の読み聞かせの流れと１年生の様子】

朝活動開始5分前に、読み聞かせに入る教室前に到着。前回に続き、今回もすでに教室は読み聞かせの準備が整っていて、担任の先生より「もうみんな揃っていますので、すぐに始めてもらっていいですか？」とそのまま教室に案内され、その時間から読み聞かせを始めました。

教室では机を後ろに下げて、子どもたちは床に体育座りで、読み聞かせる方には今回は椅子は用意されていなかったので、机に荷物を置き、立って読みました。

小学校ではインフルエンザも流行っていて学級閉鎖になったクラスもあるとのことで、念のため配慮して不織布マスクを着用して臨みました。

すぐに始められるよう、絵本はバッグから出して、手に持って教室に入ります。

今日の一年生のクラスでは、始めの挨拶はなさそうだったので、こちらから「１年◯組の皆さん、おはようございます。読み聞かせボランティアの◯◯です。」と、挨拶をして、「１冊目の本は『くんちゃんのだいりょこう』です」で始めました。

朝は冷え込んでいたので、綿の厚手の服にズボンでしたが、首にスカーフを巻いて、レッグウォーマーもしていて、読み始めると、マスクもつけていたので汗をかくくらい暑くなってしまいました。

『くんちゃんのママへのキス』には、案の定、子どもたちが「どうしてキスをするの？」とか、「なんかいキスをするの〜？」とくんちゃんにツッコミを入れていました笑。何回も後戻りするくんちゃんに「ばかじゃないの〜」という男の子も。「寝ちゃうんじゃない？」と読みがバッチリな子どももいました。私は、子どもたちのそんな反応にうんうんと思わず頷きながらも読み続けました。

２冊目の『ウクライナ民話 てぶくろ』。姪っ子が幼稚園のとき、生活発表会でこの作品の劇をやりました。子どもたちには馴染みの作品のようで、「このお話し知ってる〜！」「読んだことある〜！」「動物がたくさん出てくるよね」と反応が返ってきました。

読んでいる間も、「どんだけ大きな手袋なの！？」「入るの！？」とにぎやかな読み聞かせの時間になりました。

読み終わると、先生が子どもたちに「ボランティアの方にお礼を言いましょう」と声かけがあり、「ありがとうございました。」と揃って挨拶をしてもらい、退室。

１年生の教室に行くには、２年生の教室の前を通るのですが、２年生の男の子が「なんで１年生なんだよ〜」と言っていたそうです。楽しみにしてくれているのかな、そしたら嬉しいですね。