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小児科医 高橋孝雄さんが伝えたい子育ての悩み解決法『子どものチカラを信じましょう』(マガジンハウス)

小児科医 高橋孝雄さんのことを知ったのはNHK Eテレの〈SWITCHインタビュー達人達〉ジャガー横田さんとの対談の回でした。

高橋さん自身は、お子様もいらっしゃいますが、子育てに関しては慶應義塾大学の小児科医や教授を務められていたこともあって多忙だったため、奥様任せだったそうですが、来院される数多くの親子を見てきての、子育てに対しての考え方が、質問に答える形式でまとめられている一冊です。

〈SWITCHインタビュー達人達〉ではジャガー横田さんから技も受けられていました!笑

【おおよその成長・発達の目安】

生後12か月間は他の動物にはできない「人」としての大事な機能を獲得するための期間であり、その機能とは以下の3つを挙げられています。

  1. 言葉によるコミュニケーション
  2. 2本の脚で歩く
  3. 小さな物を親指と人差し指でつまむこと

『3.小さな物を親指と人差し指でつまむことについては、『モンテッソーリ教育』でも、手先を使った「お仕事」も重視されています子どもの発達段階で手指をたくさん使う機会って大切なことなのですね。

【子どもの早期教育については】

子どもの成長を間近で見ていると、言語能力や真似ること、見立て遊びなど、びっくりするくらい、思っていた以上に習得能力がある。こんな感じなら、いろんなことを教えてみたらどうだろう!と思ったこともあります。でも本当に、早期教育は子どもにとって良いことなのでしょうか?

早期に質の高い教育を施すことが子どもの運命を左右すると考えている親御さんは多いものですが、基本的にはそうではないと思います。

親としてやらせて見たいことがあるのなら、ぜひ、やらせてみたらいいと思います。ただし、将来的に結果は大きくは変わらないと思います。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)P51

【子どもの英語教育について】

・バイリンガルにすることがそんなに重要でしょうか?(P146)

・言葉というのは、ただ聞き取れればいい、しゃべれたらいいというものではなく「理解すること、考えること、伝えること」の役に立つことが重要だと思います。

相手の言っていることを正しく理解すること、自分の考えをまとめること、それを正確に言葉で表すこと。

そのような言語の役割を考えると、言語発達のクリティカル・ピリオドに、ふたつ、場合によってはそれ以上の言語を同時に教えることには、慎重にならざるを得ません。

急速に言葉の概念を学習する段階で、母語と異なるふたつ目の言語を、それも日常生活とあまり関連していない場面で覚えさせようとすると、ほとんどの子どもは混乱すると思います。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)

おなじく、NHK Eテレの〈SWITCHインタビュー達人達〉で鈴木おさむさんと対談していた教育実践家の中邑賢龍さんはこうおっしゃっています。

英語教育について…英語が話せることが本当に必要でしょうか?自由に遊ぶ時間や、他の勉強をする時間を削ってでも、取り組まなければいけないものなのでしょうか。

英語が必要でない仕事をするか、英語の得意な人と仕事をすればいいわけです。

『育てにくい子は挑発して伸ばす』中邑賢龍 P150

もし英語ができなくても、他の選択肢もあるということも知っておくと心や態度に余裕を持てますしできないことを悲観したり自信をなくす必要もありません。

【子どもの習い事について】

習い事を始めた以上は「2年間続けるべし」「週3日はやるべし」などということにこだわらないほうがいいと思います。

子どもが嫌がる習いごとであるなら、”無理せずやめさせたらどうですか”、”他にやってみたいことを試してみてはいかがですか”と私ならアドバイスします。

よく考えての選択であれば、途中でやめたからと言って意志の弱い子になるということはないと思います。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)P90

習い事についての考えも教育実践家の中邑賢龍さんの考えも共通しているように思いますので紹介しますね。

【余白のない放課後が子どもたちにもたらすもの】

最初から本気で打ち込んで投資しなくても、ちょっとだけかじれる習い事があればいいと思います。地域のスポーツ施設などで、1回ごとに料金が設定されているとか とりあえず数か月の短期コースで試せるとか。

そうすれば子どもも親も気が楽です。片っ端からチョコチョコ試してみる。その中で本当に子どもが続けたいというものを、本腰を入れて習わせればよいのです。それが好きなことになっていくでしょう。

それに、放課後には余白の時間をつくってあげてほしいと思います。

『育てにくい子は挑発して伸ばす』中邑賢龍 P150

「続けること」だけにとらわれないで見守ることも必要のようです。そして、詰め込みではなく余白の時間もあって良いものと周りの大人にそんな考えもあっていいと思います。

【兄弟姉妹を育てるときに気をつけること】

お母さんやお父さんは兄弟姉妹に優劣をつけない。順位付けをしないということが重要です。

(例)「お兄ちゃんはあなたの年にはできていたよ」とか「弟(妹)でもこれくらい言えるよ」などダイレクトに比較する言葉を投げかけるのもやめたほうがいい。特に本人たちの前で一方的にネガティブな決めつけをするのは避けるべきです。他の何よりも「愛情の不公平感」に寂しさを感じるのです。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)P51

これは、大人になってからの兄弟姉妹の関係にもどうやら関わってくるのではないかと思います。

また、下に子どもが生まれた場合の上の子どもに対する接し方も周りの大人は温かく接した方がいいと思えます。

【人間関係に恵まれることの大切さ】

人間関係に恵まれると思わぬ成功を収めることがあります。

心を許せる友だち、理解ある教師に恵まれて育つと、子どもにも変化が出てきます。(中略)

人間関係に恵まれると、ADHDの傾向がある人も、自閉傾向のある人も、学習症の人も、驚くほどの成功を手に入れることが珍しくないのです。

社会的に成功するかどうかは成功するかどうかは、周りの人間の力によるところも大きいということです。特にお母さん、お父さん、そして兄弟姉妹がどう接するかがとても大切なことなのです。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)P60

どんな人が周りにいるか、人間関係について、どう影響されたか。こんな人もそのことについて書かれていたのでここで紹介しますね。

人は時として大きな賭けをはなから諦めてしまうことがある。勝率を計算し、最初の一歩を踏み出す前に、うまくいきっこないと自分に言い聞かせるからだ。私が昔から直感的に感じてきたことであり、ルーンやマイケルのような人たちと働いた経験からも確信を強めたことは、到底できっこないと思えることが、意外に現実になるということだ。

『ディズニーCEOが実践する10の法則』(ロバート・アイガー/著)早川書房

前ディズニーCEOのロバート・アイガーさんの言葉です。人間関係はお互い様です。自分にとっても、周りの人にとっても良い関係であることを望みます。

【自己肯定感を育むことの大切さ】

できないことはできなくていい

できないこと、嫌いなことはできなくていい。そんなことで自信を失わなくていい。だからこそ、親として子どもの「できること」「得意なこと」を探してあげることが大切です。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)

「自己肯定感」とは「何かができるから自分に自信が持てる」というのではないんだと思います。もし、それだけでしか自己肯定感が持てないとか生まれてこないとしたら、もし周りに「うまくできない」人がいたら、どういう態度を立ってしまうでしょうか?共感が持てるでしょうか?それに、何かに挑戦してしたり、試してみたりしてみる氣持ちが湧いてくるでしょうか?「できるからいい」「上手にできるようにならなくてはいけない」という教育ではなく、「やってみる氣もちを育む」「出来ないことは苦にならない人にお願いすることもできる」「できない人を見守ったり必要だったら手伝ったり代わりを快くやってあげる」ということも教育としてできることなのでは?と思います。

【成功体験を積ませる】

失敗しずぎないよう、勝率を考えて選ばせる。

失敗と成功を織り交ぜて、その中で着実に、少しずつ成功体験を積み上げることによって身につくものがあり、それが上達のためのポイントです。

コミュニケーション能力を身につけさせたいのであれば、気の合う人、話をわかってくれる人と一緒に楽しい時間を過ごすことはとても有効な方法です。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)

作家・演出家で「コミュニケイションのレッスン」という本も出されている鴻上尚史さんも「勝ち味」を積み上げていくことをお勧めされています。

面白い言い方とか素敵な表現をして、周りが喜んだり、反応したりすると、嬉しいものです。

人前であがらず、上手く話せるように、あるには、この「勝ち味」を少しづつ積み上げていくことが大切です

『リラックスのレッスン』(鴻上尚史・著/大和書房)

【共感能力を高める】

【脳が震えるような会話をしましょう】

会話は言語訓練ではありません。お子さんとの会話をただただ楽しんでください。まだお話しできない子にも、たくさん話しかけてあげてください。そして一生懸命に言葉を紡ぎ出そうとしている子どもの気持ちに寄り添い、微笑みかけてください。大切にしてほしいのは、子どもに対して共感を持って優しく語りかけることです。それに対して子どもが言葉を発すれば、また温かい言葉を返してあげてください。それを繰り返すことで、子どもは他者と会話することを心地良いと感じられるようになるはずです

「ごめんね」「だいじょうぶ?」「よかったね」と自然に言える思考回路が育まれていきます。そういう思考回路を育てることが、言葉の発達の過程でとてもとても大切なことなんです。

本質的な部分、つまり思考や感情をいかに育てるかに注力した方がいいと思います。お母さんの言葉に何かを感じて、考えて、言葉を発する。その間に脳が震えて、しあわせだとか、心地いいとか感じられればそれでいいんですよ。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)

【そして実は高橋さんも文章を読むのが苦手だった!】

本文中にこんなことも書かれていました。

ちなみにぼくみたいに文章を読むのが苦手な人は、情報が耳から入った場合であれば、理解力が高かったりするものです。だったら、人から話を聞く機会を増やせばいい。文字情報からいっぱい情報を得るといい。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)

慶應義塾大学医学部を卒業された高橋さんも、「文章を読むのが苦手」だなんて意外でした!そして、苦手だから…と諦めないで、違ったアプローチを試してみるとできる可能性も広がる。

【この本で高橋さんが一番伝えたかったこと】

後書きより

お母さんお父さんは、自信を持って子どもと向き合えばいい。

それがこの本で一番伝えたかったことです。

小さいうちにしつけないと、と焦るお母さんお父さん。小さい頃に結果を出さなくてもいいんです。

しつけはずっとずっと長いスパンでじわっと効いてくるもの。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)

「小さい頃に結果を出さなくてもいいんです。」「しつけはずっとずっと長いスパンでじわっと効いてくるもの。」これは、40代も半ばを過ぎてくると自分自身や周りを見回してみて、10代、20代、30代の時には順調に見えていたり、表面に出てこなかったものが、こんな年になって出てきて行き詰まったり、精神的に参ってしまったり、と言ったことを耳にしたり目にしたりすることが増え、本当に人生って長期スパンで捉えるしかないんだな、と心底実感しているところなのです。兄弟姉妹の関係や親との関係についても、子どもの頃のことで苦しんでいる人が結構いるからです。自分で乗り越えることができる能力があるはずの大人でもそうなのですから、子どもにとって、というより、その人にとっての根本的な力を育む子ども時代を目先のできるできないで決めてしまわないように着たいものです。

何よりも大事なのは、人間としての魅力をいかに育むか、ですから。

『子どものチカラを信じましょう』(高橋孝雄・著/マガジンハウス)

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